ADHDを周囲にカミングアウトすることについて

目次1 ADHDを周囲にカミングアウトするべきか否か2 むしろ診断が下る前のほうがいろいろな人に言えた3 家族 […]

カテゴリー:ADHDと生活   投稿者:   更新日:2016年10月14日


jinmyaku

ADHDを周囲にカミングアウトするべきか否か

ADHDを周囲にカミングアウトするべきか否かは、当事者であれば悩んだことのない人は一人もいないのではないでしょうか。また、どういった範囲の人に自分の障害を知ってもらうかも、非常に悩ましい問題だと思います。

今回の記事では、発達障害をカミングアウトすることについての私の考えを、私の場合の事例とともにご紹介できればと思います。

むしろ診断が下る前のほうがいろいろな人に言えた

自分の場合、中度のADHD(不注意優勢型)と診断されており、障害の程度は決して軽くはありません。そのせいか、小さい頃から数えきれないほど、「変わり者」扱いされてきました。思春期以降になっても、親しい友人なども含めて、数えきれないほど「君は変わっている」と言われ続けてきました。また、「発達障害っぽいよね」などということも、時々言われてきました。専門家でもない人が無責任にそういう言い方をするのは正直どうなのかと思いつつも、自分も自覚はあったので、大抵はその場で流して終わりにしてきました。

また、自分からも、「多分自分にはなにかの発達障害があるのだろう」などと、親しい友人などには言っていました。もともと自分は大学などで心理学などの講義を受けたこともあり、多少こうした分野に知識を持っていました。そのため、そもそも発達障害がそれほど珍しいものでないということも知っており、自分で認めてしまうことにもあまり抵抗感はありませんでした。

家族や古くからつきあいのある友人には普通にカミングアウト

そんな自分も、はじめて就いた正社員の仕事で本気で苦労したことをきっかけに、真相をはっきりさせようと思い受けたのが、心療内科での発達検査でした。診断が下ったときは、「やはり単なる思い込みとは違ったのか」というのが率直な感想でした。驚きやショックなどはほとんどなく、むしろ深い納得が得られたような心境だったことを覚えています。

診断の結果についても、人に知られることには抵抗感はありませんでした。一番に報告したのは親でしたが、親はかなり驚いていた様子でした。また、比較的血縁の近い親族にも打ち明けていますが、「自分で仮説を立てて、実際に検証してしまうのだからさすがだ。」と妙に感心されたこともあります。反応は本当に十人十色という感じですね。

古くから付き合いのある友人にも、ためらいなく打ち明けています。自分のことを知られつくしている相手なら、偏見にあう恐れはほとんどないし、むしろ自分について理解してもらえるメリットのほうが大きいと考えたからです。意外にも、打ち明けてしまうとかえって友人はそのことは話題にしようとはしてこなくなる傾向があるような気がします。

それでも親しい人間関係を離れると、絶対に明かすことのできない秘密になる

ここまでを見てもらってもわかるように、自分にとって障害は、決して認めたくない事実などではありませんでしたし、また、周囲の理解者にも恵まれてきたほうだと思います。しかしそれでも、障害を正面から受け入れ、そして堂々と日々生活できているかというと、そうでもありません。

たとえば、職場の人には一人も自分の障害を打ち明けてはいませんし、親しい人間関係を除いては、絶対に隠し通したいと思っています。やはり今日でも、障害者に対する偏見はまだまだ根強いものがあり、誤解される危険を考えると、不特定多数の人に知れ渡る危険は避けなければならないと思うからです。

診断があろうとなかろうと、自分は生まれたときからずっと同じ人間であるわけですが、一度障害をカミングアウトすれば、周囲の自分を見る目は劇的に変わる可能性もあります。職場の人に知れ渡れば、その後の人事評価などにも、嫌でも影響してくるはずです。そうした危険を考えると、少なくともいまは職場の人には打ち明けるべきではないと思っています。

定型発達の人なかにいる「ちょっと変わった人」の自分と、「障害という個性」を持って生まれた自分は光と影

いまは、職場で自分は完全に障害を隠し、定型発達の人と同じようにフルタイムで仕事をしています。発達障害の症状から出てきていると思われる体調不良なども、単純な体調不良として、必要最低限のことのみを伝えるようにしています。

もしこうした働き方が今後辛くなるようであれば、障害者雇用なども検討するようになることがあるかもしれません。しかしそれは後からでも検討できることなので、とりあえず今はやれるだけのことをやってみようと思っているところでもあります。

そしてそもそも、自分の障害が発覚したのはつい数か月前のことで、その前は自覚症状のみで、ずっと「ちょっと変わった人」としてなんとか生きてきたわけです。これから先も、障害があることをすべての人に理解してもらわなくとも、「ちょっと変わった人」として生きていくことも、できるのではないかとも思っています。

こんな風に今の自分は、障害を隠しながら人とかかわるパブリックな場面と、障害を告白した上で人とかかわるプライベートな場面とで、人間関係が大きく分断されている状態にあります。自分という存在が、二ついるような感覚ともいえるかもしれません。光と影が遊離して、それぞれが別の動きをしているようで、どこかぎこちなさも抱えたまま、日々過ごしているような気もします。

いずれはすべての人にカミングアウトできるようになりたい

いまの自分にとってのひとつの目標は、すべての人、不特定多数の人たちに向けても、自分がADHDであることを言えるようになることです。自分の性別をためらうことなく当たり前のように誰にでも明かせるように、自分の障害のことも、恐れることなく誰にでも明かせるようになりたいと思っています。

そもそも障害を知られてはならないと思うのは、障害があるというごくわずかな情報だけで、「自分自身のことを決めつけられるのが怖い」という感覚があるからだと思います。ちょうど就職活動で、履歴書の経歴ひとつで書類選考で落ち、面接が受けられないときの悔しさなどとも近いかもしれません。

いずれ、他人からの評価を気にせずとも十分生きていけるという自信が持てるようになったり、障害があるということを知ってもらったうえで人と十分に信頼関係を作れるようになったりしたときには、 誰にでも障害を打ち明けられるようになるのではないかと思います。そういう日が来たときに、自分のなかの光と影は融合し、どんなときでも自分が一番自分らしいと思える姿で、人と接することができるようになるのだと思っています。

 が書いた記事です
ADHD(不注意優勢型)とASDの診断を約一年ほど前にいただいた発達障害当事者です。新卒入社後に仕事でつまずき、間も無く診断された新米社会人。自分のキャリアについて模索(迷走ともいう)する日々を記事にしています。 twitter:https://twitter.com/grace_adhd

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“ADHDを周囲にカミングアウトすることについて” への2件のフィードバック

  1. みみ より:

    はじめまして、graceさん。とても記事に共感しました。(T_T)
    私も当事者でカミングアウトを迷っているので、こんな記事があるとありがたいです。
    他の当事者の人が、どうしてるのか知る機会がないので。。
    これからも記事を楽しみにしてます!

    • grace より:

      >みみさん
      はじめまして。執筆者のグレースです。
      嬉しいコメントありがとうございます。

      いろいろな人の考えも知りたいと思っていますので、
      ぜひみみさんの事例も教えてください。

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