ADHDと運動 〜快適なスポーツライフを送るために向いている運動は?〜

目次1 はじめに2 ADHDでもオリンピックアスリートになれる2.1 反復動作であること2.2 個人競技である […]

カテゴリー:ADHDと生活   投稿者:   更新日:2017年6月2日


はじめに

近年、うつ病の治療法として、ジョギングやウォーキングなどの運動が効果的であることがわかっています。

精神科医が運営するブログ「せせらぎメンタルクリニック」によると、運動によって脳の前頭前野や海馬の体積が増え脳神経の栄養素が増加することで、脳のセロトニンやノルアドレナリンも増えうつ病が改善すると言われています。

つまり、ADHDの人の場合、二次障害としてうつ病を発症しやすいですが、運動を定期的に取り入れることによって、ある程度の予防が可能なのです。

しかし一方でADHDの特性として、鉄棒や跳び箱などの全身を連動させる「協調運動」が苦手な場合が多いため、幼少期に運動に対して苦手意識を感じたまま、スポーツから遠ざかってしまった人も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、小学校時代、縄跳びや跳び箱、逆上がりが全くできず、体育嫌いになってしまった過去があります。しかし、ADHDであっても運動種目を選べば十分楽しくスポーツライフを送れることも事実なのです。

ADHDでもオリンピックアスリートになれる

 

画像出典:Wikipedia

マイケル・フェルペスという水泳選手をご存知でしょうか?「水の怪物」という異名を持ち、オリンピックで通算23個の金メダル獲得という金字塔を打ち立てた選手です。そんな彼ですが、子どもの頃ADHDと診断されています。

しかし、彼の母親は

「たとえ子どもがADHDであったとしても親がその子の特性を理解したうえで適切な支援を行えば、偉大な才能を発揮する」

出典:ニューヨーク・タイムズ「Michael Phelps and the Potential of A.D.H.D.」

と考え彼への積極的なサポートを惜しみませんでした。そして多動性による有り余ったエネルギーを水泳に向けた結果、誰もなしえないような偉大な記録を打ち立てたのです。

この事実はADHDであっても自分の特性に合った種目を選べば人よりも突出した才能を発揮することができる可能性を示唆しています。そこで、私のスポーツ経験も踏まえてADHDの人が向いているスポーツを考察しました。

反復動作であること

サッカーやバスケットボールなどのスポーツでは、ボールの状況や相手の動き、フォーメーションなど様々な情報を取り入れて瞬時に判断し、その場に合わせた動作をすることが求められます。

これは、マルチタスクが苦手なADHDの人の場合、どうしても苦手意識を感じてしまいます。しかし、自分の好きな事と競技の特性がマッチすると過集中という能力を発揮するというメリットがあります。

まず、種目選びのポイントとしては自分の好きな事とマッチしており、臨機応変さが求められないものを選ぶことではないでしょうか。

私の場合ですとサッカーやバスケはてんでダメでしたが、陸上競技やウェイトリフティングではある程度の実績を残すことが出来ました。

個人競技であること

集団競技では、フィジカルや技術に加えてチームメイトや敵の動きに合わせることが必要です。

そのためにはプレー中常に周囲にアンテナを張っておかなくてはいけません。不注意優勢型のADHDの場合周りの状況を常にキャッチするというのは苦手分野です。そのため、集団競技よりは過集中がより活かせる個人競技の方がストレスなく行えます。

瞬発系競技であること

ADHDだと集中力が持続しづらいため、マラソンやトライアスロンなどの持久系スポーツでは途中で集中力が切れてしまうことがあります。ですので、短距離走や投擲競技など短時間の集中で済むものの方がいいです。

ただし、自分の興味が持てることと競技特性がマッチしている場合、話は別。過集中によって高いパフォーマンスを出すことができます。私自身、地面を蹴って前に進むという動作が好きでマラソンにのめりこむ時期がありましたが、1kmを4分台前半とかなりのスピードで走っていました。

私自身が経験してすすめたい、ADHDの人向けの運動

私自身のスポーツ経験から、以上3つを満たす種目がADHDの人が向いているスポーツだと思います。

それでは具体的にどのようなエクササイズが向いているのかピックアップしてみました。

ウェートトレーニング

スクワットやベンチプレスなど短時間の内に同じ動作を繰り返し行うウェートトレーニングは非常におすすめです。ADHDの持つ過集中が上手く活かせれば食生活や睡眠リズムの改善にもつながります。また、ウェートトレーニングを行い、筋肉が付くことで自信もつきますので二次障害の予防と言う意味でも効果的です。

マラソン

あくまで自分の好きな事と一致すればという前提なのですが、マラソンはADHDに適していると言えます。単純な動作をリズミカルに行う「リズム運動」は脳の働きを活性化させ、ノルアドレナリンなどの脳内物質を増やす効果があるので、定期的にジョギングを続けることでうつなどを予防することができます。

水泳

遠泳はともかくこちらも3要素を満たす運動なのでおすすめです。膝や腰などの関節に不安がある人や体重が重い人は体に負担をかけずに続けることができます。

障害ではなく才能と考えることがスポーツを楽しむカギ

サプリメントブランド「DNS」の公式サイトである「DNSZONE」にはこのような文章があります。

朝5時からウエイトトレーニングを行ってフィジカルを高め、世界の大舞台で3勝を挙げたラグビー日本代表。そのストレングスコーチ、ジョン・プライヤーの朝はさらに早い。彼は3時に起床し、すぐさま氷をためたアイスバスにダイブ。その後は1時間歩き、瞑想をして、その日のトレーニングをイメージ。そして5時にはパッションをむき出しにして、トレーニングセッションで選手達を激しく追い込むという。本当のトレーニングとは、エキセントリックな情熱あふれるものなのだ。

出典:DNSZONE 「2016年、フィジカルで圧倒する。ウォリアーがウォリアーであるための10カ条。」

スポーツを楽しむ方法にはいろいろありますが、やはり結果を出すことが自信にもつながります。結果を出すために必要なものは日々の練習に対する並々ならぬ情熱です。

この文章はあくまで世界で戦うトップアスリートを基準に作られたものですが、ADHDの人なら上手く興味関心とマッチすればこれくらいの情熱を傾けられるのではないでしょうか?

好きなことなら普通の人がやらないところまで徹底的にやるという特性は芸術だけでなく、スポーツの世界でも必要な才能です。

障害者スポーツを描いた井上雄彦の漫画「リアル」の第一巻には私の大好きな言葉があります。

画像出典:Amazon

「シャックは鋼鉄の巨体を持ってる。アイバーソンは全身バネのカタマリ、戸川清春はマシン脚‼これはこいつの才能だ」

出典:井上雄彦「リアル」第一巻五話

脊椎損傷や下肢切断と言った身体障害とは異なりますが、ADHDの特性に悩む人に対しても非常にポジティブなメッセージになりうるものです。

「ADHD=運動音痴=スポーツに向いていない」と考えるのではなく、自分の特性を武器として活かせる競技種目を選択して打ち込むことこそが、ADHDであってもスポーツライフを楽しみ、人生をより幸せにしていくために必要なことではないでしょうか?

 が書いた記事です

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